2006年01月15日

結局こう動きましたか。

話題の耐震強度偽装住宅問題、諸般の事情でコメントしてなかったわけですけど、結構大きな動きがあったのでさすがに取り上げます。

住民側が最後の手段をとる決議をした、ということです。
ヒューザーの破産申し立て決議=グランドステージ住吉住民−東京

まず最初に、この件は実は知り合いが絡んでいました。
某関連住宅の住人であり、そこの対策委員をやっていて、たまにテレビなどでも会見でのコメントが流れていました。
いろいろと聞くことも多く、それだけに簡単にはどこが悪いとかいえない状況だったわけです。僕自身、心情的には被害者側の立場にいたわけです。

例の電車運転手の時にアレだけ命がかかった問題で手を抜く奴はプロではない、とかいっておいてこの件では何もいえなかったのはそういうこと。
とはいえ、事態がここまでくれば、というか今回の方法そのものは別にどちらの立場にたってるからどうとか関係ないのでやっと言えることが出来たかな、と。

でまぁ、住民側として最後の手段に近かったのが今回の方法。
これは昨年末くらいからいくつかのメディアでは取り上げられていましたね。

なぜ法人の構成員でない住民側が、販売者であるヒューザーの破産を申請できるか疑問に思われる方もいるかもしれません。
というより、それが出来ると認定されるかどうかが今回の話の肝。

簡単に言えば、住民を債権者として考えるわけです。
住民は当然、一定以上の安全を得られることを前提で住宅を購入したわけです。
ところが現実はそうでなかった。

この場合、契約不履行での払い戻しなり、安全保障を目的とした引越しの費用負担なりで要は金銭金銭を受け取ることが出来る、というのが住民側の主張なのです。
ところが、ずっと報道されてきているようにヒューザー側にそれだけの支払い能力があるかは甚だ疑問。
というか、小嶋社長が最初に言っていたような購入額に上乗せしての返金なんて方法はとても採れるような財政的余裕はありません。

と、いうわけで、金銭を受け取るべき人=債権者として、被債権者の財産保護を目的とした破産を申し立てる、というのが住民側の今回のアクションにつながるわけです。

ポイントは2つ。

1.住民が債権者としての権利を有するか
2.権利者として認められた場合、どのくらいの金額を受け取るのが妥当か

1.は当然ですね。
心情的に考えれば、住民は金銭を受け取る権利を有しているといいたいわけです。
が、法的には必ずしもそういう結論になるかは分かりません。
当たり前ですけど、どの程度の強度を保証するかなんて契約はないでしょうしね。
またヒューザー以外にも構造設計を担当した姉歯元設計士、施工担当の木村(平成)建設などなどいろいろな関係者が絡んでもいて、ヒューザーだけの債権者となるかどうかも分かりません。

2.は住民一人当たりどのくらいの債権をヒューザーに対して有しているか、という問題です。
当然ですが、最初に小嶋社長が口走った106%(でしたっけ?)の返金は問題外でしょう。さらに、とりあえず現在までの期間は安全に使用できてきたわけで、全額返金などにもまったく根拠がない。
とすると、どの程度の支払いが正しいのか。

また、1.の「ヒューザーだけの債権者」とも絡んでくるわけですが、他の関係者の支払い義務も裁判所が認定するなどして、相対的にヒューザーの責任が軽くなる(=支払うべき金額が下がる)なんてこともあるかもしれません。ちょっと考えにくい事態ですが。
で、破産が認められるためには、債権者が有する債権の合計が現時点でのヒューザーの全資産を超えている必要があるわけです。
仮に住民側にヒューザーが金銭を支払う必要が認められても、その金額が小額であれば破産は成立しないのです。


で。
被害者側の知り合いとしてはこの問題、住民側の主張が通って欲しいと思います。
どこぞの社長のように離婚の慰謝料だなどと財産隠しみたいな誤解を受ける行動をとらせないためにも。ってか、本当に誤解だと信じてる人、ほとんどいないでしょうけど。

でもですね。
これが成立するって事は、住民側が本来受け取るべきものを会社が有していないことを公的にみとめ、債権が減額されることが決定するっていうことでもあるんです。
つまり、自分たちの権利を一部放棄するのと同義。

どちらに進んでも、完全にもとの状態に戻ることのない獣道。
被害者の心中、察しようにも察せません。

なぜみんなプロとして行動できないんだろうなぁ。

posted by MARS at 02:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | ざれごと
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